全国すべての市を制覇する旅に出た猫

日本にはたくさんの魅力ある市があるにもかかわらず、なかなか探訪する機会がないので、コツコツ全国の市に訪問してみようと思いました。このブログはそんな訪問の記録。

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湧き水の郷に泳ぐ鯉とニジマス〜高島市訪問(2017年5月5日)〜

 

高島市来訪

今回は滋賀県高島市。今回は、といっても実際に訪れたのは今年のGWである。

 

2017年5月31日現在の高島市は人口は49,920人で、一度市になれば、その地位が剥奪されることはないものの、市としての5万人の基準を下回っている。他方、面積は琵琶湖を含めれば滋賀県最大とのこと。

 

市名の由来は下記の通り。かなり昔から「たかしま」と呼ばれていたようで、かつてあったと思われる神社の名前に由来しているようだ。

 

現在の高島市全域の旧郡名で、「高島郡」の名称は、郡という行政区画が成立した奈良時代ころから使われていたと思われます。古くは「万葉集」や「和名抄」などにも登場し、読みは「太加之萬」と記されることから、早い時期から「タカシマ」の呼称が定着していたようです。一説には、三尾国(現在の市南部域と思われる)に高島宮があり、これが高島の名前の起こりになったともいわれています。

 

概要 | 高島市

 

今回、高島市に来たのは針江地区に行ってみたかったからである。

 

針江生水の郷(平成の名水百選/新旭) | 高島市

 

湧き水の郷

その針江は琵琶湖のほとりにある。湧き水がそこかしこに湧き、水路となって集落を流れる。水路は各家庭に引き込まれ生活用水として利用される。このシステムは「かばた(川端)」と呼ばれる。

 

このかばたシステムだが、きれいな湧き水も生活用水として使えば汚れる。水路にはコケも生える。そのまま放置すればかばたシステムは機能不全に陥ってしまう。

 

そうした水に流した残飯やコケを食べてもらうため、各家庭や水路に鯉が飼われている。ガイドさんによると集落には130戸程度が存在し、うち100超の世帯にかばたが設けられているとのこと。

 

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どのような苦労を経て、このシステムができたのだろうか?いきなり上手くいったとは考えにくい。上手くいくためには誰もがちゃんと管理するだろうという信頼関係が構築されなければならない。川上に位置する家庭が過剰に水を汚せば下流の人が迷惑を被る。表立っては言わないが、ルール違反者には何らかの罰則(恐らくは金銭的というよりは村八分的な社会的な罰則)がある、またはあったのではないか。かつてあったとしたら、ルールを破るような人はすでに他所に行って、ルールを守る人だけが今では選抜される。ゆえに現代ではさほど苦労なくシステムが維持されているのかもしれない。

 

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↑かばた。家の中である。

 

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↑別の家のかばただが、こういった感じで家の中に鯉が泳ぐ。湧き水のそばだと水がきれい過ぎて鯉が棲めないため、ニジマスを放している家も。飼っている鯉やニジマスを食べることはないようだ。

 

繰り返し囚人のジレンマゲームによって水利システム管理を説明する

ルール形成に際して、代官や役所がルールを作って地域に強制したわけではなかろう。その意味では上位権力によるルール設定・実施ではなく、地域での暮らしを効率的にするために、地域レベルで自発的に発生したシステムだろうと考えられる。

 

これを繰り返し囚人のジレンマゲームで説明してみたい。

 

囚人のジレンマゲームは、互いが協力したほうが全体として利益が最大化されるにもかかわらず、一方が裏切りによって利益を得られる選択肢(そして、それによって相手が最も不利益を被る)がある場合、互いが自分が最悪の結果になることを回避しようと合理的に行動すると、双方が裏切りを選択し、結局、全体の利益が最大化しないという非合理的な結果になるというジレンマを説明する理論である。

 

ただし、これは一回きり、またはいずれ終局を迎える場合を想定した話である。もし、予想しうるしばらくの間、互いの関係が継続すると双方が予想する場合、そして互いがしっぺ返し戦略(相手の選択と同じ選択をする戦略。相手が協力すれば自分も協力、相手が裏切れば自分も裏切る)を採用すれば、双方が協力を選ぶことが知られている。自分が裏切ることで短期的な利益は得られるが、相手との関係が続く場合、相手からも裏切りという仕返しを受ける。そうすると、自分は協力よりも低い利益しか得られないから、非協力が続くようであれば、いつまでも低い利益しか得られない。したがって、敢えて非協力を選ぶインセンティブが生じなくなる。

 

非協力を選ぶと相手からと協力してもらえなくなる。汚れた水を垂れ流せば、地域から排除されるといった仕返しを受けることになる。反対に水をキレイに使うというルールの維持に協力すれば、地域の中で安定的に暮らし続けることができる。もちろん、本当はルールを破っているが、ルールを遵守しているフリをすることもできるが、水質維持ルールは、違反しているかどうかは水の汚れを見ればすぐにバレてしまう。下流の人は真っ先に気づくし、黙っているメリットはほとんどないから、すぐに苦情を言い、結果ルール違反は即座に判明し、ルール違反者は社会的制裁を受ける。

 

社会的制裁の事例が積み重なれば、ルール違反のデメリットは周知されるから、ますますルール違反の可能性は減少する。NHKで放映されてから訪問者が増えているそうで、そうなれば観光資源としてますます維持するメリットが上がる。さらに地元への誇りや愛着が増せば、それこそ損得抜きにシステム維持のヤル気が出るというものだ。

 

針江は水の郷として観光地としても美しい場所だが、人がどのようにルールを形成し、維持しているのか、そういったアカデミックな思考を刺激する場所である。

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↑試飲できる湧き水もある。な〜んとなく味の違いはわかった

 

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↑次の目的地おごと温泉に向かう途中の車窓から

 

レイクサイドのホテルで

ちなみに時間としては前後するが、高島市ではこの宿に泊まった。全室ではないが、たまたまレイクビューの部屋に泊まれた。隣には大型スーパーやコンビニもあって便利

 

今津サンブリッジホテル公式ホームページ|滋賀県高島市の琵琶湖畔でのご宿泊は当ホテルで!

 

高島市は日本の集落の協力関係構築メカニズムに思いを馳せることのできる素晴らしい場所であった。

 

 

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15年前の味、いまだ健在なり〜武蔵野市訪問(2017年5月27日)〜

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思い出の武蔵野市・吉祥寺 

今回は東京都武蔵野市。住みたい街ランキングで常に上位にランクインする吉祥寺を擁する。井の頭公園という大きな公園もあり、東京23区に属さないが、同格に、いやそれ以上におしゃれ感度で存在感を発揮するエリアである。

 

武蔵野市の人口は143,964人(2017年1月1日現在)で、その地名は明治時代の武蔵野村に由来する。「武蔵野」という平野名は存在せず、万葉集の東歌に登場する「武蔵野」に由来するようだ。また、吉祥寺には「吉祥寺」という寺はなく、それは江戸時代の明暦の大火によって現在の文京区にあった吉祥寺というお寺周辺に住んでいた人たちが焼き出されて武蔵野に移り住み、愛着のある吉祥寺という寺名を地名につけたのである。

 

武蔵野市 - 地名由来辞典

 

東京都・吉祥寺に吉祥寺はなく、なぜ駒込に吉祥寺がある? - 吉祥寺トリビア | マイナビニュース

 

私が大学生の頃に隣接する小金井市に住んでおり、通学途中にある吉祥寺にはよく立ち寄った。グルメ、おしゃれ、自然がコンパクトにまとまったこの街は、同じく通学途中にあった新宿よりもずっと私にとって楽しめる街であったし、当時の彼女とデートなんかもよくしたので、青春の思い出も豊富な街である。もっともデートスポットとして有名な井の頭公園でボートに乗ると公園の神社に祀られている弁財天が嫉妬して恋人を別れさせるという都市伝説があるが、そのせいかどうかわからないが、確かに井の頭公園でデートした当時の彼女とは最終的に別れることになってしまった。

 

閑話休題

 

大学を卒業してからもたまには寄ったが、最近は引っ越して東京東部に住んでいるため、めっきり立ち寄ることが少なくなった。大学在学時によく通ったあの頃から数えて約15年、久しぶりにあの頃に通った店のいくつかに行ってみた。

 

 

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油そばの王、ぶぶか

一店目がラーメン店の「ぶぶか」。 吉祥寺の有名なラーメン店といえば「ぶぶか」だ。とんこつラーメンも美味いが、ここの名物とはいえば「油そば」。

 

ぶぶか 吉祥寺北口店

食べログ ぶぶか 吉祥寺北口店

 

油そばはスープのないラーメンで、文字通り味の付いた油を麺に和えて食べる、まぜそばの一種である。ウィキペディア情報で恐縮だが、油そばの始まりは昭和30年(1955年)前後までさかのぼる。

 

油そば - Wikipedia

 

ぶぶかのオープンは1995年だから、ぶぶかが油そば発祥のお店というわけではないが、カップ麺にもなったりして、ぶぶかは近年の油そばブームの功労者の一店であると思う。油そばチェーン店の登場により以前に比べると知名度が広がった油そばであるが、ぶぶかはその定着期を支えたお店の代表といえよう。

 

さて、その油そばだが、店には体調が悪い人は食べないでくださいという警告の貼り紙が掲示されている。

 

これだよ、これ。当時からこの貼り紙があった。これまで訪れた街で私が度々ラーメン店に訪れていることが示すとおり、私はラーメンが大好きだ。1000円程度であれほどこだわりが詰まった料理は他に例がない。

 

mtautumn.hatenablog.com

  

mtautumn.hatenablog.com 

mtautumn.hatenablog.com

 

一般的にラーメンは不健康なイメージを持たれている。実際、塩分や脂質は多めだし、栄養素に偏りがあるのは間違いない。どのラーメンを選ぶかによってだいぶ変わるハズだが、まあ、偏見も手伝って健康志向の人はあまりラーメンを食べたがらない。

 

で、私はといえば、食事において健康はまったく気にしない。食事において大事なのは美味しいかどうかであって、健康になるかどうかは評価基準の埒外にある。したがって、ラーメンを食べるときだってまったく健康のことなんて気にしない。いや、むしろ健康のことなんて思い出させてほしくない。それゆえ、健康的なラーメンというのを私は目の敵にしている(大袈裟)。

 

件の油そばであるが、最近のチェーン店は油そばを普通のラーメンよりヘルシーであるとアピールしている。私はその考えが許しがたい。いいのだ、ラーメンで健康になんてならなくても。いや、ラーメンを食べているときに健康なんて余計なことを思い出させるな!とクレームをつけたいほどである(改めて大袈裟)。

 

油そばとは|油そば 東京油組総本店

 

私が足繁く通っていた15年前から、ぶぶかは体調悪い人は控えて下さいという警告を発していたわけだが、今でも油そばの不健康性(!?)をしっかり強調していたわけで、これに私は嬉しさのあまり思わず膝を打ったのである。

 

そう、そのとおり、油そばは健康を意識して食べるラーメンではないのだ。今私は強く主張しておこう、油そばに健康は不要であると。ぶぶかの油そばで育った私に油そばで健康になろうという邪念は微塵もない。

 

で、肝心の味は?というわけだが、やはりぶぶかの油そばは柔なチェーン店の油そばとは格が違う。油が濃い!!味も濃い!!美味い!!クセになる!!

麺を完食後、ライスをどんぶりに投入し、あまさず油そばを堪能したのであった。

 

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↑ ぶぶかの油そば

 

 多奈加亭で大好きなショートケーキを食べる

次は吉祥寺で有名なカフェ、多奈加亭(たなかてい)でお茶をする。まだ小金井市に住んでいた頃によく行ったのだが、私はここのショートケーキがとても好きだったのだ。特にスポンジが美味しい。卵の味がしっかりして、食感もしっとり。

 

吉祥寺 多奈加亭

食べログ 吉祥寺 多奈加亭

 

ぶぶかの油そばは健在であったが、こちらも思い出補正されずにいまだ健在であった。店の雰囲気も当時のままの落ち着いた空間で、15年前と変わったことといえばトイレがウォシュレットになったくらいか。当時からいいカフェであったが、それを維持し続けるのはすごいことだと思う。

 

ショートケーキも相変わらず美味。何度食べてもここのショートケーキは美味しいなぁ、と思う。スポンジが特に本当に美味しい。

 

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↑ 大好きなショートケーキ 

 

ハモニカ横丁で〆る

大学生当時は立ち飲みってしたことなかったのでよく知らなかったのだが、吉祥寺駅前に立ち飲み系の食事処が集まるハモニカ横丁と呼ばれる一角がある。昔からそうなのか記憶にないが、おしゃれで美味しそうなお店が立ち並ぶ。7時にはどのお店も活況で賑わっている。当時からもっと行っておけばよかったと若干の後悔。

 

ローズマリーを効かせたローストチキンが有名なPollo(ポヨ)で、軽く一杯。立ち飲みなので、軽く食べて一杯飲んで、さ、次の店にはしごってことをしても全然大丈夫そうな雰囲気。美味しそうなお店がたくさん並んでいるのだ、はしご酒こそハモニカ横丁の醍醐味だろう。

 

ポヨ

食べログ ポヨ

 

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↑ 店内から駅前を写す

 

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↑ お店と垣間見えるハモニカ横丁の雰囲気

 

というわけで、完全に食レポに終始した武蔵野市吉祥寺であったが、改めて来ても美味そうなお店が多いなぁ、とただただ感心するのであった。

 

 

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フォトジェニック〜長浜市訪問(2017年5月4日)

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市データ

人口:119,637(2017年5月1日現在)

市制:1943年

由来:今浜という地名に、秀吉が織田信長の「長」から一字を取って「長浜」に

 

長浜市の概況 | 長浜市

 

 

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滋賀県NO.1観光地 

長浜といえば、豊臣秀吉がはじめて城主となった地であり、石田三成を見出した地であり、歴史好きにとって馴染みのある場所である。とはいえ、歴史好きでもなければ、さほど関心の高い街とはいえないのでは、と思っていた。

 

しかし、駅を降りて街の中心部に行けばものすごい人だかり。GWとはいえ、なかなかの盛況ぶりだ。彦根市の記事で引用した報告書では滋賀県で一番観光客が来るエリアだそう*1。さすがは滋賀県ナンバー1の観光地。

 

 

mtautumn.hatenablog.com

 

 

白壁の残る歴史を感じる街並み。全く事前調べをしてこなかったが、この街並みを見ているだけでも楽しい。美味しそうなレストランやカフェ、オシャレな雑貨屋さんが立ち並ぶ。街中がフォトジェニックだ。

 

11時前だが評判のお店にはすでに行列が。彦根でややご飯に失敗しているから、待とうが何だろうが、評判のお店が絶対にいい。かくして自分も列の一員に加わる。

 

焼き鯖そうめん 

並んだのは焼き鯖そうめんで有名な「翼果楼」(よかろう)というお店だ。そうめんは茹でるのが早いのか、けっこう回転と早い。列の長さに比べてだいぶ早く自分の順番となった。

 

翼果楼

食べログ 翼果楼

 

焼き鯖のついた焼き鯖セットと一品料理の中からフナの子まぶしを頼む。フナはコリコリとした白身といった感じ。以前、アメリカでナマズを食べたが、そのナマズは泥臭かった。しかし、このフナからは泥臭さを全く感じない。フナは言うほど泥臭くないのか、それとも泥をしっかり吐いたフナを使っているのか。

 

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焼き鯖そうめんは文字通りそうめんの上に焼き鯖が乗っけられたそうめんだ。濃いめの味付け。お祝いの席でも食べられるご馳走である一方、農作業の合間にも食べられてきた料理と聞く。なるほど農作業で疲れた身体にこの濃いめの味付けはぴったりだ。

 

にしても、この焼き鯖そうめん、めっちゃ美味い!!これは素晴らしい料理を知った。並んでよかった。待ってよかった。ちなみにお店を出たらさらに列が伸びていた。

 

琵琶湖をサイクリング〜晩御飯の近江牛 

ランチを食べて、街中をぶらぶらして、ご当地ポテチを買い、駅前でレンタサイクルを借りる。

 

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 ↑大通寺。歴史を感じる名刹

 

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↑フォトジェニックな街並み 

   

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長浜城にちょこっと立ち寄り、琵琶湖湖畔を疾走。

 

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↑琵琶湖湖畔で滋賀県ご当地ポテチをパクり。味の感想はこちらをご覧いただきたい

 

mtautumn.hateblo.jp

 

mtautumn.hateblo.jp

 

mtautumn.hateblo.jp

 

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↑少し走れば田園風景が広がる

  

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 ↑珍しい地名 

 

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夕飯は彦根のリベンジの近江牛。「せんなり亭 橙」というお店で食す。お店の看板には「霜降りは苦手と勘違いされている皆様へ」とある。この挑戦受けて立たねばなるまい。

 

 

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↑挑戦状。そうです、私は霜降りがニガテな人です。とはいえ、脂肪の塊を食べてるって思うほど、霜降りに敵意は抱いていない(笑)

 

頼んだのはステーキコースだ。いちぼが美味い。赤身寄りのお肉で、私のように脂が少しニガテな人にはとてもバランスのいい部位。今後はどこで肉を食べるにしてもいちぼは頼もうか。

 

あとは、一品料理として近江牛の刺身を注文。私は生肉が大好きだ。ユッケ事件などがあって、生肉を置かない店も少なくないが、生肉ファンとしては残念な傾向。いいお肉は刺身も美味い。焼くよりもサッパリしているから、これまた脂がニガテな人がお肉の美味しさを楽しむにはもってこいだと思う。

 

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挑戦してくるだけあって、ちゃんとお肉を楽しめた。これで滋賀県名物の近江牛をちゃんと食べたと宣言しても怒られはすまい。

 

電車で高島市に向かう。外は真っ暗だ。

焼き鯖そうめん、近江牛、ご当地ポテチ、長浜では滋賀県名物をいろいろ堪能できて楽しかった。

 

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ひこにゃん、キミはもっとがんばれるハズ〜彦根市訪問(2017年5月3日)〜

今週のお題ゴールデンウィーク2017」

 

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今回は彦根市を訪問 

GWを活用して琵琶湖周辺の市に行った。彦根市長浜市高島市大津市の4市である。通り過ぎた沿岸隣接市を入れれば、米原市草津市などもあるが、3時間以上の滞在を自分の中で勝手にルールにしているから、今回巡れなかった市は別の機会にゆっくり訪問したい。

 

滋賀県は通り過ぎてしまう県だ。東京や新横浜から新幹線を使うにしても、滋賀県で降りることなく京都や大阪、またはその先に行ってしまうことが多い。これは関東居住者の特徴かなって思ったりもしたが、現地で出会った兵庫県在住の方も大阪や京都で降りてしまい、滋賀県まで足を伸ばすことは少ないと言っていた。琵琶湖という圧倒的な知名度を誇る場所がありつつも、琵琶湖で何ができるか正直あまりわかっていないから、滋賀県を訪れる人が少なくなってしまうのかもしれない。

 

さて、4市周遊の最初の滞在地は彦根市彦根駅周辺である。彦根といえばひこにゃんだが、今年であれば大河ドラマの井伊家の所領があった地として歴史好きの間では有名だ。私の乏しい知識では、ひこにゃん井伊直政しか出てこないが、典型的な現代日本人としてはこれだけわかれば上等であろう、と自分を正当化する。

 

そんな彦根市は、1937年に市となり、2017年3月31日現在の人口が112,660人を数える滋賀県に位置する市である。市のウェブサイトによると、彦根の由来は、

 

彦根」の地名は、むかし天照大神の御子に天津彦根命(あまつひこねのみこと)、活津彦根命(いきつひこねのみこと)の二神がおられ、このうち活津彦根命が活津彦根明神として彦根山に祭られたことに由来しているとされている。

 

とのことである。

 

彦根市について | 彦根市

 

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彦根駅彦根城〜琵琶湖

彦根駅に降りると彦根城世界遺産にしようという看板が早速目に入る。

 

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彦根城を世界遺産に | 彦根市

 

世界遺産といえば「『神宿る島』宗像・沖ノ島関連遺産群」をユネスコの諮問機関が世界遺産登録を勧告したと発表されたばかりで、この数年日本から世界遺産登録が続いているところである。

 

「宗像・沖ノ島と関連遺産群」一部が世界文化遺産登録へ | NHKニュース

 

こうしたいい流れが来ているところではあるが、彦根城世界遺産登録を目指しているとは知らなかった。というか、天主が国宝指定されている5城のうちの一つということさえ恥ずかしながら知らなかった。彦根城世界遺産に登録するとなると、どういった理由で登録にふさわしいと世界的にアピールするのだろうか?

 

彦根城は、GW中ということもあり、天主への入場を待つ長蛇の列ができていた。そのため、天主は諦めたが、それでも天主前の広場からの琵琶湖の眺めは美しいので、城に関心のない人でも行く価値があると思う。

 

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彦根城天守

 

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↑ 城付近の木々にはサギがたくさん営巣していた

 

彦根城から琵琶湖へ行く。滋賀県をこれまで通り過ぎてきたのだから、当然琵琶湖は初めてだ。日の入り前に琵琶湖湖畔に到着したが、いたのは釣りをする人が数名。岸壁で日の入りを待つが小さい羽虫がたくさんいた。虫が嫌いな人は夕日を取るか虫を取るかジレンマに直面するであろう。しかし、虫をガマンすれば美しい夕日を拝める。

 

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城付近まで戻り、キャッスルロードと呼ばれるエリアでたこ焼きを食べる。ソース味としょうゆ味を選べたので、珍しいしょうゆ味で。さっぱりした味。店内の冷蔵庫に置かれていた「スマック」なる飲み物を購入。クリームソーダと銘打たれているが、味はむしろオロナミンCに似ていた。関東では見かけない飲み物だが、製造元が三重県の会社であることからしても、中部・近畿圏中心に売られているのかもしれない。

 

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夢京橋キャッスルロード : 店舗紹介 : たこ壱

 

夢京橋キャッスルロード : 店舗紹介

 

彦根市ひこにゃんを活用できているのか??

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↑ 18時頃のキャッスルロード

 

で、ふと思ったのだが、彦根城を除けばGWというのに人出が少ない。キャッスルロードも18時過ぎという時間帯であったが、ほとんどの店が閉まりガラガラ。さすがにゆるキャラがヒットしたくらいじゃ観光客が増えないか〜と思ったが、必ずしもそうとは言えないかもしれない。

平成25年(2013年)と少し古いデータではあるが、彦根市の「彦根市観光に関する経済効果測定調査報告書」によると、「旅行のきっかけ」の質問に対する回答は、

 

観光周遊 28%

ひこにゃん 27%

戦国ゆかり 19%

保養休養 8%

帰省・親族訪問 5%

ドラマ・映画 2%

その他 11%

 

彦根市彦根市観光に関する経済効果測定調査報告書(平成25年彦根市観光の消費動向調査結果および観光消費による経済波及効果の推計)』2013年

https://www.city.hikone.shiga.jp/cmsfiles/contents/0000004/4040/2013keizaikouka.pdf

 

となっていて、ひこにゃん彦根観光の立派なきっかけになっていたのである(上記報告書46頁)。ひこにゃんゆるキャラグランプリで第1位となったのが2010年だから、今ではさすがにブームは落ち着いているのかもしれないが、ひこにゃんをきっかけに彦根に来たものの、彦根城以外やることがない的な状況に陥っているのかもしれない。

というのも、同じ報告書の中に「彦根市観光について、ご意見、ご感想がありましたらご記入ください」という質問項目があり、その中で「土産・飲食に関すること」に関する意見がそもそも少なく、肯定的意見と批判・苦情・要望の割合が半々なのである。

 

そう、私も思ったのが、けっこう彦根駅周辺はご飯を食べられるところが少ない。某グルメ口コミサイトの評点でポイントが高いお店ともなるとさらに限られる。翌日、長浜市を訪れたのだが、長浜駅周辺はとっても混んでいて、食事処には行列ができ、同口コミサイトでのポイントが高いお店が多かったし、実際街中を歩けば、美味しそうなお店がたくさんあり、目移りするほどであった。車で来る人だったら、彦根城を観光したら、別の場所に移動してしまうような気もする。

 

ひこにゃんという有力コンテンツがあり、今年は大河ドラマの題材にもなっているというのに、なんてもったいない!!そんだけのコンテンツがあるのだから、観光にもっと力を入れたら、活性化されるんじゃないかと思ってしまう。いや、むしろ有力コンテンツがあったからこそ油断してしまったのかもしれない。

 

晩御飯のお店

晩御飯は↓のお店で、近江牛ステーキや小鮎のてんぷら、モロコの塩焼き、赤こんにゃくの刺身などローカルフードをチョイス。

 

だいみょう掃部

食べログ だいみょう掃部

 

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↑ モロコの塩焼き?(メニューの名前を忘れた)

  

近江ちゃんぽんという文字に惹かれたので、近くのお店で〆の一杯。なんでも近江ちゃんぽん滋賀県民のソウルフードらしい。お店のウェブサイトから引用すると、

 

 

ちゃんぽんのルーツは古く、明治32年長崎創業の中華料理店四海楼で誕生しました。中国からの留学生達のために、福建料理「湯肉絲麺」を日本流にアレンジして、中華鍋で具材を炒め豚骨と鶏ガラでとったスープと麺を一緒に入れて煮込んだ麺を店主の陳さんが作ったことが始まりとされています。

その後、その麺は「長崎ちゃんぽん」と名付けられ、長崎市内の中華料理店を経由して全国に広まりました。このような流れから、今でも全国的にはちゃんぽん=長崎ちゃんぽんとして認識されており、また中華料理店の麺メニューのひとつとして置かれることが多い理由でもあります。

(中略)

さまざまなご当地ちゃんぽんの中でも、特に異彩を放つのが他でもなく当店の近江ちゃんぽんと言えます。なぜならば、ほとんどのご当地ちゃんぽんはルーツである長崎ちゃんぽんとの共通項を持っていますが、近江ちゃんぽんだけはほとんど共通項がないからです。

スープは白濁したとんこつでも鶏ガラではなく、京風だしをアレンジした和風醤油味です。は海老や烏賊など定番の海鮮は一切入らず、豚肉と野菜だけです。は唐灰汁を使ったちゃんぽん麺ではなく、かんすいを使った中華麺を使います。調理方法も中華鍋で炒めるのではなく手鍋で煮込みます。あえて唯一の共通点を挙げると「具がたくさん乗った麺料理」という点です。

近江ちゃんぽんがこのような特徴を持つことになったのは、それが麺類をかべで生まれたからに他なりません。長崎ちゃんぽんは中華料理店で生まれた中華料理のひとつです。しかし、近江ちゃんぽんは麺類食堂で生まれた和食のひとつなのです。

 

誕生物語 | ちゃんぽん亭総本家

 

 

そんなに違うのなら、なぜに「ちゃんぽん」という名前を付けるのか、という素朴なギモンは脇に置いて、実際に食べてみると、透き通ったスープで長崎ちゃんぽんと比べるとすっきりとした味わいである。なるほど、和風しょうゆ味という触れ込みも納得である。 

今度は近江ちゃんぽんB-1グランプリを狙うか。ゆるキャラでも頂点を極め、B-1グランプリでも頂点を極めた市はまだないのではないか。

 

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↑ 駅構内で見つけたツバメ。彦根駅には数個のツバメの巣があった。彦根駅はツバメにとても優しい駅であった。

 

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無添加ラーメンからのおしゃれカフェからの味濃いめ焼肉の旅〜川崎市(2017年4月29日訪問)〜

 

 

 

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今回は川崎市 

今回は川崎市横浜市に隣接する日本有数の大都市である。

工業地帯のイメージがあるせいか街の発展ぶりのわりに印象がイマイチなのだが、川崎駅には大きなショッピングモールがあったり、武蔵小杉駅周辺は近年タワマンが急増しているし、住むにはとても利便性の高いエリアだと思う。東京にも横浜にも近いし。

 

なんでもこの4月24日に人口が150万人を超えたらしい。まったく知らなかったが、記念すべきタイミングで川崎に訪れたといえる。

 

川崎市:川崎市の人口が150万人を突破しました!

 

Wikipediaの情報によると、一帯は古くから人が居住していて、川崎、というか神奈川、というか全国レベルで初詣客がたくさん訪れる場所として有名は川崎大師の創建は1128年まで遡るとのこと。

 

川崎市 - Wikipedia

 

地名としての川崎の由来であるが、全国に多くある川崎が「川に面した場所」という意味の川前(かわさき、前がのちに崎に転化)であるのに対して、川崎市の川崎は少し由来が異なるらしい。

 

川崎市の「川崎」は地形からついた地名で、「川」は多摩川を、「崎」はデルタ(三角州)を指しているのだそう。

大きな川の河口で上流から流されてきた土砂が溜まってできたデルタは、海からの砂も溜まって海に張り出した形になることが多く、こうした地形は「崎」と呼ばれる。

そこで「多摩川」の意味で「川」がついたのが川崎市の「川崎」、つまり多摩川が作った河口のデルタ地帯という意味だとのこと。

 

hamarepo.com

 

武蔵新城で美味しい無添加ラーメンを食す

そんな川崎市の中核地域である川崎駅を尻目に、今回降り立ったのはJR南武線武蔵新城駅

 

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「新城」というからには何かしらお城があったのかと思いきや、「新庄」が変化して新城になったらしい。

 

平安末期から近隣に存在した「稲毛庄」に対して新しく開かれた地が「新庄」と呼ばれ、のちに文字が転じたものと考えられている

 

新城 (川崎市) - Wikipedia

 

今日はラーメンが食べたかったので、川崎市のラーメン屋を検索したところ、武蔵新城にある「シンジョー」というお店がなかなか美味しそうだったため、武蔵新城に来たというわけである。

 

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中華そば シンジョー - 武蔵新城 | ラーメンデータベース

 

こちらのラーメンは無添加らしい。私は煮干ラーメンを頼んだが、煮干ラーメンで有名な新宿の「凪」に比べるとずいぶんと透明なスープである。

 

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 実際、凪ほどガツンと煮干味がくるわけではない。しかし、面白いのはそれでもしっかり煮干を風味を感じられるということである。私の乏しい知識に基づくイメージでは、煮干味をしっかり出そうとすると自ずと凪のように濃い色のスープになると思っていた。しかし、シンジョーの煮干ラーメンはそのイメージを完全に覆す。透明なスープにもかかわらず、しっかり煮干なのだ。いやはや、これは美味い。

 

そもそも私は無添加を打ち出すラーメンが嫌いである。別に健康になるためにラーメンを食べているわけではないし、なんか不味くても無添加だから許してね、とお店から言われているような気がするからだ(もちろんお店が実際にそう言っているわけではなく、あくまで私の妄想である)。しかし、シンジョーのラーメンは美味しかった。あっさりでも煮干味がしっかりしているのは無添加だからかもしれない。とすれば、無添加は美味しさにもつながるというわけで、依然として私は無添加に対して釈然としない思いは抱いているが(しつこい)、とはいえ、私の無添加に対する偏見がちょっとだけ解けた瞬間であった。

 

武蔵小杉のおしゃれカフェへ

お腹も膨れたことで、今度はコーヒーを飲みたくなった。  

目当ては武蔵小杉にある「64 Cafe + Renai」(64カフェプラスラナイ)。散歩がてら武蔵新城から歩くことにした。距離は2.6キロ、時間にして30分ちょい。

 

オシャレ古民家カフェ「64 Cafe + Ranai/64カフェプラスラナイ」(武蔵小杉)|ikigoto Living ~DESIGN for Good Life~

 

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武蔵新城から20分くらい歩くと、武蔵小杉のマンション群が。

 

古民家を改築したカフェとのことだが、いざ着いてみると、日本家屋というよりは昭和の文化住宅(関西で言うところの)を改築したといったほうが正確だ。

 

文化住宅 - Wikipedia

 

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しかし、テラス席(といっても屋根と窓はあるのでサンルーム的な感じ)には大きな木が天井をやぶって突き出しており、その様がとてもおもしろい。中はオシャレで、この日の気温22度だとテラス席がサイコーに気持ちいい。テラス席が空いていたのはとてもラッキーだった。古民家改築といってもトイレはパナソニックアラウーノ2なのでトイレ重視派にも何の問題もない。

 

頼んだのは自家製ジンジャーエールとレアチーズケーキ。30分くらい歩いた疲れをレアチーズの甘さとジンジャエールのシュワシュワ感が癒してくれた。

 

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カラオケ流れる銭湯に

場所は武蔵新城へと戻り、千年音泉という銭湯に入った。

まさにご近所のための銭湯といった趣きで、浴室内にはシャンプー等の備品はない。番台で買わなければならない。スーパー銭湯には大概こういったものは備わっているから、慣れないと服を脱いでからその事実に気づくことになる。まさに私がそれであった。

 

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二階にはスナックも何もないハズなのに大音量のカラオケが響く中、黒湯のお湯に浸かる。ちなみに男湯はそとから丸見えだと思う。見たい人は少ないだろうけど。

千年温泉では手ぬぐいタオルは無料で貸してくれた。あまりにぶっきらぼうに貸してくれるので、ん、無料?それとも有料?ってちょっとわからず、狐につままれたような気分になった。

 

こちらの銭湯には「電気風呂」があって恐る恐る試したが、特に何も感じなかった。以前、神奈川県大和市の銭湯の電気風呂がかなりビリビリ来る感じだったのだが、本来は千年温泉のように非常に微弱な電気なのか、それとも千年温泉の電気風呂は故障中だったのか、真相はわからない。

 

mtautumn.hatenablog.com

 

晩飯は川崎駅にある50年の歴史ある焼肉屋に

晩御飯は川崎駅に移動して焼肉の食道園。50年の歴史を持つ老舗だ。食べログの評価はさほど高くないのでやや不安ながら、肉が食べたかったのでここにした。

 

川崎 焼肉 宴会 " 炭火焼肉 食道園 ”忘年会 新年会 歓送迎会 大小宴会 100名様の宴会(川崎市 川崎区 小川町)

 

頼んだのは食道園セット、にんにくオイル焼、キムチ盛り合わせ、上ミノ、カルビクッパ。食道園は上タン塩、特上カルビ、上カルビ、上ハラミ、特選ロースのセット。

 

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お店の雰囲気は昭和の焼肉屋。内装が赤っぼくて、テーブル席と靴を脱いで上がる宴会席がある感じ。あくまで想像だが、〜園とか〜苑という名前の焼肉屋はこういった内装が多いように思う。私の親戚も「〜苑」という焼肉屋を数十年やっていて、まさに内装の色や設備が同じである。

 

全体的に味は濃いめ。しかし、食べログの評価はあれだが、普通にちゃんと美味しかった。正直、日本の料理界の競争は激しすぎる。焼肉に限らずこだわったお店が多くて、さらに新店がどんどん開店していて、日本で食を満喫するには80年という人生はあまりに短すぎる。

 

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↑ にんにくオイル焼きをご飯にかける。これで今日の疲れはチャラ??

  

川崎南部は焼肉の宝庫という話もある。孤独のグルメで紹介された一人焼肉の「つるや」も川崎だ。

 

【孤独のグルメ シーズン1】神奈川県川崎市八丁畷の一人焼肉 / つるや | 東京メインディッシュ

 

考えてもみれば29日は「ニクの日」。 焼肉チョイスは正解だった。

川崎には他にも焼肉の良店があるようだから、焼肉を楽しむだけでも川崎に来る価値があるように思う。

 

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もっと柔軟に楽しめればよいのでは?

 

 

旅において温泉は大事 

旅行において何を楽しみにするかは人によって異なる。観光地をたくさん訪問したいと思う人もいれば、ローカルなグルメを味わいたいと思う人、その土地でしか体験できないアクティビティを求める人もいよう。

このように旅行の楽しみは数あれど、日本国内をあちこち行くのであれば、温泉はけっこう重要なポイントなのではないか。実際、これまで私は訪問した市でけっこう銭湯やスーパー銭湯に行っている。というか、ほぼ必ず近場にそういった施設がないか探している。熱海をのぞけば温泉らしい温泉には入っておらず、銭湯やスーパー銭湯に偏ってはいるが、これから先にあちこち訪問する中で温泉にもいろいろ入りたいと思う。

 

ということもあり、今回は今後の温泉選びの参考になるかと思い石川『本物の名湯ベスト100』を読んでみた。

 

本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)

本物の名湯ベスト100 (講談社現代新書)

 

 

温泉の客観的評価? 

筆者のスタンスは「客観性」だ。筆者は先行する温泉本に対して以下のような不満を抱いているとのこと。

 

  • 多くが温泉地選びというよりは、温泉宿選びに偏っていたこと
  • 温泉セレクション本がいったい、どのような客観的な基準、説得力ある根拠をもって選んだのかわからないこと
  • 肝心の温泉そのものにかかわる基本データすらきちんと記載されていないこと

 

まぁ、わからないでもない。全ての温泉本に必ずしもデータが掲載されているわけではない(というか、泉質のデータなどは基本的に同一だろうからデータによっては全ての温泉本に掲載する必要はないかもしれない)。

 

さて、客観性を標榜する筆者が温泉を評価する上での評価基準は以下の5つである(13頁)。

 

 

本書では、温泉地を評価する客観的な指標を、次のように五つ設定した。

 

I 源泉そのものを評価する指標

II 源泉の提供•利用状況を評価する指標

III 温泉地の街並み景観•情緒を評価する指標

IV 温泉地の自然環境と観光•滞在ソフトを評価する指標

V 温泉地の歴史•文化•もてなしを評価する指標

 

ここで悩ましいのは、これって客観的に評価するのは難しいんじゃない?という指標が割に含まれていることだ。どういった条件が満たされれば客観性が確保されるかはいろいろな基準がありそうだが、その一つとしては、誰がやっても同じ方法を用いれば同じ結果がもたらされると期待できることではないか。

 

仮にそうした場合、筆者の揚げた5条件を用いればみなが同じ結果にたどり着くかといえばそんな気はしない。筆者の100位の順位*1は、結局のところ、いい温泉として衆目一致する温泉ばかりだから、まぁ、結果に異論はないが、それでも順位付けをめぐっては喧喧諤諤の議論がありえよう。

 

どうしてこうなるかといえば、5条件のうちいくつかが主観性が排除できないこと、そしてそもそもなぜにこの5条件でなければいけないかがよくわからないからだ。

 

たとえば筆者は「旅館風懐石料理」や「部屋付き露天風呂がある」といった項目で温泉旅館は評価しないという立場だ。しかし、なぜにこれらを基準に含めていけないのだろうか?温泉地に行けば旅行に泊まることは多い。である以上、温泉を楽しむうえで旅館は切っても切り離せない関係にあるのではないか?明らかに筆者は星野リゾートなんかはキライそうだが、別にいいじゃないか星野リゾートを楽しんでも、と思うのだ。

 

温泉は自分の好きに選べばいいのだ

別に筆者の基準が悪いと言いたいわけではない。そこが問題なのではなく、筆者が根拠なき「客観性」を標榜して、このような基準であるべき、という押し付けをしているような気がしてならないからだ。確かに客観的(量的)分析のほうが恣意的でときとして曖昧に見える質的な分析よりもカッコよく見えてしまうのはよくわかる。

 

とはいえ、評価基準を無限に選べるわけではなく、結局いくつかの評価基準を選ばざるをえない。評価基準の抽出基準が不明確である限り、出来上がった分析も恣意的なものにならざるをえない。少なくとも筆者はそこまで考えているようには見えない。

筆者は評価基準を明示することを客観性と捉えている節があるが、それは客観性ではなく透明性であって、明示しても基準自体が客観性を確保できないものであれば、それに基づいて決められた順位も客観的ではありえない。

 

たとえば、わたしが好きな女性について語るとして、Aさんがいいと言ったとして、その基準は明らかにしなかったとする。他方、わたしがルックスと性格とスタイルを重視すると公言して、そのうえでその条件を満たす女性としてAさんを選んだとする。

 

これによって、わたしが何を重視して女性を選ぶかは明瞭になるわけだが、別に明瞭になったところで、ルックスや性格、スタイルだけで選ぶというのはあくまでわたしの都合で評価基準を選んだだけであり、さらに各指標も誰しもが同じ結論に至るような客観的な評価方法ということにはならない。

 

別に筆者の独断の評価でもいいのだ。たかがどこがいい温泉かを議論するくらい。ただ、筆者の基準はやはり石川流基準であって、客観的な評価ではない。いいではないか、温泉旅館を評価に入れるなんて曖昧だ〜なんて上から目線で批判しなくたって。温泉は当人が楽しめれば十分。それゆえ、客観的基準だなんて大上段に言わず、わたくしは温泉をこう楽しむとだけ言えば十分なのである。

 

もっとも、一つの本の評価基準にここまで噛み付くお前が一番無粋であると言われてしまいそうだ。。。

*1:一位から順に、草津温泉別府温泉湯の峰温泉野沢温泉蔵王温泉といった具合になっている

名字と地名

 

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名字とは

名字の由来をたどると、だいたい「〜郷」に住んでいたから、といった具合に地名から名字を拝借していることが多い。

かくいう私の名字である「秋山」もその一つで、巨摩郡秋山(現山梨県南アルプス市秋山)を由来とする。

 

そもそも名字とは何か。鈴木亨の本によると名字とは、

 

名字の「名」とは名田のこと、つまり土地のことだ。「字」とは土地の小区分のことで、現在も檜原村字小沢などという使い方がされている。

武士は土着した土地の名、つまり「名字」を名乗りにしたのだ。そしてその土地を懸命に守った。これを名字の地とも呼ぶ(p.133) 

 

 

日本史の授業で習ったが、現在では「一生懸命」と書かれるこの言葉も、もともとは「一所懸命」といって、一つの所領を命がけで守るという意味だ(鈴木、p.133)

 

名字と地名

このように今日の名字の多くは地名に由来するわけだが、基本的に名字は本家が承継し、分家はその名字を名乗れないから、分家は住んでいる地名を名字とする。それゆえ、日本には数多の名字が溢れることになるわけである。

 

もっとも移り住んだとしてもその土地の名前を冠することなく、もともとの地名に由来する名字をそのまま新天地に持ち込むこともある。

 

たとえば、戦国時代の花形役者である上杉謙信武田信玄のそれぞれの名字のルーツをたどれば、上杉氏は丹波国何鹿(いかるが)郡(現在の京都府綾部市上杉)、武田氏は常陸国吉田郡武田郷(現在の茨城県ひたちなか市武田)とされる。

 

その後、上杉氏は上杉重房が鎌倉に赴き、その一家後北条氏に圧迫されて、長尾景虎を頼って越後に行き、景虎が上杉の名字を名乗るようになる。上杉景虎が出家して上杉謙信というわけである。その後、上杉氏は越後から会津、その後米沢へと移される(鈴木、pp.147-148)。

 

名字が地名になったわけではないが、黒田長政が黒田家ゆかりの土地である福岡の地名をもってきたのが、現在の福岡県福岡市の地名の由来であり、人の移動に伴って地名も変遷するのである。

 

mtautumn.hatenablog.com

 

山梨県の2つの秋山

かように人と地名は深く結びついているわけだが、名字と地名が同じだからといって、常に関係があるというわけではないから面白い。

先に書いたように私の名字の秋山は現在の山梨県南アルプス市の秋山という地名を由来とする。同じ山梨県上野原市にも秋山という地名がある。温泉施設もあるので、以前訪れたことがあったのだが、タクシーの運転手さんに「私、秋山という名字なんです」と言っても、「この辺じゃ珍しい名字だね〜」という返答で意外に思ったものである。

 

秋山 (上野原市) - Wikipedia

 

上野原地域おこし協力隊のホームページによると、上野原市の秋山は、

 

 

甲斐源氏加賀美遠光の長男秋山太郎光朝の城があったことにちなむといわれるが、また一説には周囲の山が秋には紅葉となって非常に美しいので「秋山の庄」と名づけられたともいう

 

uenohara.jp

 

前者であれば私の名字の秋山とも深くかかわるが、後者であれば景観を表した地名となる。現在、秋山という名字が少ないということを考えれば、後者のほうが正しい由来なのやもしれない。

 

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