大宮の珈琲伯爵邸
24時間オープンというそれだけでも十分パンチが効いた珈琲伯爵邸。埼玉県さいたま市大宮駅から徒歩5分程度の場所にある名物喫茶店。写真は撮っていないが、内装はもっとカオス。こういうお店はカフェという浮ついた言葉ではなく、喫茶店という漢字を当てるべきだろう。カオスなお店だから喫茶店という範疇ともやや違うように思うが、少なくともカフェという浮ついた言葉は伯爵邸にそぐわない。
- ジャンル:カフェ・喫茶(その他)
- 住所: さいたま市大宮区宮町1-46
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- (写真提供:campanerula)
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入店は朝の9時。モーニングを食べようという算段だ。この時間でも店内はすでに賑わう。朝から来たお客さんか、ここで夜を明かした人もいるのか。
店内はすごい煙草の煙。私は煙草を吸わないので、ややたじろぐも大宮の名店まで来ておいて何もせずに退散するのも癪に触るので、煙草の煙は受け入れようではないか。
受け入れようと決心はしたものの、それにしてもすごい煙。昨今、愛煙家には厳しい時代になっているから、大宮界隈の愛煙家はみな伯爵邸に避難しているのか。喫煙可というより、愛煙家だけ大歓迎、とでも言うべき煙の濃度である。この店では非喫煙者のほうが肩身がせまい。というか、非喫煙者には相当厳しい環境。腐海の瘴気もここまで辛くはあるまい。
店内には3台のテレビ。うち一つはTBSのサンデーモーニング、残り2つはテレビ東京の「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」という子供向けヒーローもの。客層のほとんどは大人、というかおじちゃん。そもそもこの煙草の煙が充満する空間に子供を連れてくること自体推奨されるべきではないから、なぜにこのチャンネルが選択されているのか、疑問である。店の内装もかなりカオスなのだが、テレビのチャンネル選択といった細部までカオスなのが、この伯爵邸なのだ。
頼んだモーニングは、たぬきうどんとおにぎり、そしてコーヒーのセット。パン系のノーマルなモーニングもあったが、和風メニューになぜか惹かれてしまった。
味は、、、と言いたいところだが、煙草の煙がキツ過ぎて判別不能であった。珈琲は伝統的喫茶店系のビターな味。本当は目覚めの珈琲とともに読書を楽しもうと思っていたが、このまま滞在しては肺が侵される危険を感じたので、早々に退散した。喫茶店に限らずこういう個性のある店は好きなのだが、伯爵邸に関しては非喫煙者には過酷な環境であった。
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浦和のやじろべえ珈琲店
さいたま市浦和駅徒歩10分程度の場所にあるやじろべえ珈琲店。40年以上の歴史を有するこちらもさいたま市の有名喫茶店である。外観はレトロモダン。
土曜日は14時開店で、私が到着したのもほぼ開店と同時で、おそらく本日の客第一号。照明はレトロな喫茶店によくあるほの暗い照度。BGMはなく振り子式の掛け時計がチクタク時を刻む音が店内に響く。
振り子時計の音は時の経過を音として具現化させる。にもかかわらず、急かされるわけではない。実のところ時間の経過はわれわれが思うよりもゆったりしていて、われわれが実際の時間のスピード以上に時間に追われているから、振り子時計の音にむしろ安らぎを感じるのかもしれない。
読書するには最高の環境。無音だとかえって緊張してしまうが、振り子時計の音が自分が発するちょっとした音をかき消してくれるから、余計な心配をしなくて済むのだ。
店主(?)のおばあちゃんが入れてくれた珈琲は伝統的な喫茶店のそれでややビターな仕上がり。最近のフルーティーな珈琲とは違うが、こういうレトロモダンな喫茶店にはビターな珈琲がよく似合う。
読書がはかどりすぎて、珈琲をおかわりしてしまった。おばあちゃんは常連さんと思しき女性と社会の出来事についてああだこうだと話に興じている。さいたまの都会に地域の絆を感じさせる一コマで、それもまた店の居心地のよさにつながっているのだろう。
楽しかった。次はどの市に行こうか。
その他
↑夜の浦和駅前
↑浦和のラーメン屋「鶏そば一瑳」。行列ができる人気店。はじめてなので淡麗系の「あっさり鶏そば」を注文。鶏の出汁が出ていて美味しいラーメン。最近は鶏の淡麗系を出すお店が増えている印象。
↑ドトールの別業態「珈琲農園」。サードウェーブ系のフルーティーな珈琲もあり。私ははじめて見たが、東京にも何店舗かある。新宿や渋谷、銀座といった繁華街にはないようだ(2018年8月17日現在)。伯爵邸の煙にやられて同じく大宮駅前にあったこちらのお店に退避したというわけ。
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