今回は彦根市を訪問
GWを活用して琵琶湖周辺の市に行った。彦根市、長浜市、高島市、大津市の4市である。通り過ぎた沿岸隣接市を入れれば、米原市や草津市などもあるが、3時間以上の滞在を自分の中で勝手にルールにしているから、今回巡れなかった市は別の機会にゆっくり訪問したい。
滋賀県は通り過ぎてしまう県だ。東京や新横浜から新幹線を使うにしても、滋賀県で降りることなく京都や大阪、またはその先に行ってしまうことが多い。これは関東居住者の特徴かなって思ったりもしたが、現地で出会った兵庫県在住の方も大阪や京都で降りてしまい、滋賀県まで足を伸ばすことは少ないと言っていた。琵琶湖という圧倒的な知名度を誇る場所がありつつも、琵琶湖で何ができるか正直あまりわかっていないから、滋賀県を訪れる人が少なくなってしまうのかもしれない。
さて、4市周遊の最初の滞在地は彦根市の彦根駅周辺である。彦根といえばひこにゃんだが、今年であれば大河ドラマの井伊家の所領があった地として歴史好きの間では有名だ。私の乏しい知識では、ひこにゃんと井伊直政しか出てこないが、典型的な現代日本人としてはこれだけわかれば上等であろう、と自分を正当化する。
そんな彦根市は、1937年に市となり、2017年3月31日現在の人口が112,660人を数える滋賀県に位置する市である。市のウェブサイトによると、彦根の由来は、
「彦根」の地名は、むかし天照大神の御子に天津彦根命(あまつひこねのみこと)、活津彦根命(いきつひこねのみこと)の二神がおられ、このうち活津彦根命が活津彦根明神として彦根山に祭られたことに由来しているとされている。
とのことである。
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彦根駅〜彦根城〜琵琶湖
彦根駅に降りると彦根城を世界遺産にしようという看板が早速目に入る。
世界遺産といえば「『神宿る島』宗像・沖ノ島関連遺産群」をユネスコの諮問機関が世界遺産登録を勧告したと発表されたばかりで、この数年日本から世界遺産登録が続いているところである。
「宗像・沖ノ島と関連遺産群」一部が世界文化遺産登録へ | NHKニュース
こうしたいい流れが来ているところではあるが、彦根城も世界遺産登録を目指しているとは知らなかった。というか、天主が国宝指定されている5城のうちの一つということさえ恥ずかしながら知らなかった。彦根城を世界遺産に登録するとなると、どういった理由で登録にふさわしいと世界的にアピールするのだろうか?
彦根城は、GW中ということもあり、天主への入場を待つ長蛇の列ができていた。そのため、天主は諦めたが、それでも天主前の広場からの琵琶湖の眺めは美しいので、城に関心のない人でも行く価値があると思う。
↑ 城付近の木々にはサギがたくさん営巣していた
彦根城から琵琶湖へ行く。滋賀県をこれまで通り過ぎてきたのだから、当然琵琶湖は初めてだ。日の入り前に琵琶湖湖畔に到着したが、いたのは釣りをする人が数名。岸壁で日の入りを待つが小さい羽虫がたくさんいた。虫が嫌いな人は夕日を取るか虫を取るかジレンマに直面するであろう。しかし、虫をガマンすれば美しい夕日を拝める。
城付近まで戻り、キャッスルロードと呼ばれるエリアでたこ焼きを食べる。ソース味としょうゆ味を選べたので、珍しいしょうゆ味で。さっぱりした味。店内の冷蔵庫に置かれていた「スマック」なる飲み物を購入。クリームソーダと銘打たれているが、味はむしろオロナミンCに似ていた。関東では見かけない飲み物だが、製造元が三重県の会社であることからしても、中部・近畿圏中心に売られているのかもしれない。
彦根市はひこにゃんを活用できているのか??
↑ 18時頃のキャッスルロード
で、ふと思ったのだが、彦根城を除けばGWというのに人出が少ない。キャッスルロードも18時過ぎという時間帯であったが、ほとんどの店が閉まりガラガラ。さすがにゆるキャラがヒットしたくらいじゃ観光客が増えないか〜と思ったが、必ずしもそうとは言えないかもしれない。
平成25年(2013年)と少し古いデータではあるが、彦根市の「彦根市観光に関する経済効果測定調査報告書」によると、「旅行のきっかけ」の質問に対する回答は、
観光周遊 28%
ひこにゃん 27%
戦国ゆかり 19%
保養休養 8%
帰省・親族訪問 5%
ドラマ・映画 2%
その他 11%
彦根市『彦根市観光に関する経済効果測定調査報告書(平成25年彦根市観光の消費動向調査結果および観光消費による経済波及効果の推計)』2013年
https://www.city.hikone.shiga.jp/cmsfiles/contents/0000004/4040/2013keizaikouka.pdf
となっていて、ひこにゃんは彦根観光の立派なきっかけになっていたのである(上記報告書46頁)。ひこにゃんがゆるキャラグランプリで第1位となったのが2010年だから、今ではさすがにブームは落ち着いているのかもしれないが、ひこにゃんをきっかけに彦根に来たものの、彦根城以外やることがない的な状況に陥っているのかもしれない。
というのも、同じ報告書の中に「彦根市観光について、ご意見、ご感想がありましたらご記入ください」という質問項目があり、その中で「土産・飲食に関すること」に関する意見がそもそも少なく、肯定的意見と批判・苦情・要望の割合が半々なのである。
そう、私も思ったのが、けっこう彦根駅周辺はご飯を食べられるところが少ない。某グルメ口コミサイトの評点でポイントが高いお店ともなるとさらに限られる。翌日、長浜市を訪れたのだが、長浜駅周辺はとっても混んでいて、食事処には行列ができ、同口コミサイトでのポイントが高いお店が多かったし、実際街中を歩けば、美味しそうなお店がたくさんあり、目移りするほどであった。車で来る人だったら、彦根城を観光したら、別の場所に移動してしまうような気もする。
ひこにゃんという有力コンテンツがあり、今年は大河ドラマの題材にもなっているというのに、なんてもったいない!!そんだけのコンテンツがあるのだから、観光にもっと力を入れたら、活性化されるんじゃないかと思ってしまう。いや、むしろ有力コンテンツがあったからこそ油断してしまったのかもしれない。
晩御飯のお店
晩御飯は↓のお店で、近江牛ステーキや小鮎のてんぷら、モロコの塩焼き、赤こんにゃくの刺身などローカルフードをチョイス。
- ジャンル:うなぎ
- 住所: 彦根市佐和町10-9
- このお店を含むブログを見る |
- (写真提供:南幌)
↑ モロコの塩焼き?(メニューの名前を忘れた)
近江ちゃんぽんという文字に惹かれたので、近くのお店で〆の一杯。なんでも近江ちゃんぽんは滋賀県民のソウルフードらしい。お店のウェブサイトから引用すると、
- ジャンル:ちゃんぽん
- 住所: 彦根市旭町9-6
- このお店を含むブログを見る |
- (写真提供:com3154)
- ちゃんぽん亭総本家 彦根駅前本店をぐるなびで見る | 彦根・多賀・愛荘のラーメンをぐるなびで見る
ちゃんぽんのルーツは古く、明治32年長崎創業の中華料理店「四海楼」で誕生しました。中国からの留学生達のために、福建料理の「湯肉絲麺」を日本流にアレンジして、中華鍋で具材を炒め豚骨と鶏ガラでとったスープと麺を一緒に入れて煮込んだ麺を店主の陳さんが作ったことが始まりとされています。
その後、その麺は「長崎ちゃんぽん」と名付けられ、長崎市内の中華料理店を経由して全国に広まりました。このような流れから、今でも全国的にはちゃんぽん=長崎ちゃんぽんとして認識されており、また中華料理店の麺メニューのひとつとして置かれることが多い理由でもあります。
(中略)
さまざまなご当地ちゃんぽんの中でも、特に異彩を放つのが他でもなく当店の近江ちゃんぽんと言えます。なぜならば、ほとんどのご当地ちゃんぽんはルーツである長崎ちゃんぽんとの共通項を持っていますが、近江ちゃんぽんだけはほとんど共通項がないからです。
スープは白濁したとんこつでも鶏ガラではなく、京風だしをアレンジした和風醤油味です。具は海老や烏賊など定番の海鮮は一切入らず、豚肉と野菜だけです。麺は唐灰汁を使ったちゃんぽん麺ではなく、かんすいを使った中華麺を使います。調理方法も中華鍋で炒めるのではなく手鍋で煮込みます。あえて唯一の共通点を挙げると「具がたくさん乗った麺料理」という点です。
近江ちゃんぽんがこのような特徴を持つことになったのは、それが麺類をかべで生まれたからに他なりません。長崎ちゃんぽんは中華料理店で生まれた中華料理のひとつです。しかし、近江ちゃんぽんは麺類食堂で生まれた和食のひとつなのです。
そんなに違うのなら、なぜに「ちゃんぽん」という名前を付けるのか、という素朴なギモンは脇に置いて、実際に食べてみると、透き通ったスープで長崎ちゃんぽんと比べるとすっきりとした味わいである。なるほど、和風しょうゆ味という触れ込みも納得である。
今度は近江ちゃんぽんでB-1グランプリを狙うか。ゆるキャラでも頂点を極め、B-1グランプリでも頂点を極めた市はまだないのではないか。
↑ 駅構内で見つけたツバメ。彦根駅には数個のツバメの巣があった。彦根駅はツバメにとても優しい駅であった。
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