日本五大桜
やはりこの時期ともなれば、日本人の一員としては花見に行きたくなる。もちろん、すでに会社近くの花見スポットには行ったし、街中にもちらほら桜は咲いているから、この時期はあちらこちらで桜を愛でることができる。
身近な桜もいいとはいえ、せっかくならばちょっと足を伸ばしていつも見る桜とは違う桜も見てみたいと思うもの。
そんなわけで私は日本三大桜(または五大桜)を制覇することにし、手始めに昨年は福島県三春町の三春滝桜を見に行った。そのときは天気もよく折良く満開で、それはそれは見事な桜であった。
そんなわけで、今年は残る二大桜も制覇しようと、山梨県北杜市の山高神代桜、もしくは静岡県富士宮市の狩宿の下馬ザクラを見に行こうと思っていた。
しかしながら朝起きてみれば天気は雨。しかもネットで確認してみると、いずれもまだ蕾か五分咲き程度とのこと。翌週は予定があるので、さすがにそこまでの遠出は難しいとも思い、三大桜から候補を広げ、五大桜の一つである石戸蒲桜を見に行くことにしたのである。
その石戸蒲桜があるのが、埼玉県北本市。鉄道の最寄駅はJR北本駅。桜までは駅からバスが便利。
北本市の人口は2017年4月1日現在で、67,381人である。1971年、埼玉県33番目の市として誕生した。市のホームページによると、地名の由来は下記のとおり。
明治22年まで市域が14の村に分かれていたころの村名の一つに、「本宿村」がありました。ところが、同じ北足立郡のなかに本宿村という村名が2カ所(現在の北本市とさいたま市)あり、不都合なので、北にある本宿村を「北本宿村」とすることになりました。
この「北本宿」が、昭和3年に開設された駅の名前として使われることになりました。さらに、昭和18年に石戸村と中丸村が合併したときの村名は、この駅名からとられました。その後、昭和34年に町制を施行するときに、「北本宿町」では『語呂が長く呼びにくいので、宿をなくして北本町にした』といわれています。
こうして、現在の「北本」という地名ができました。北本という呼び名は昔からのものではなく、比較的新しい地名といえます。
桜アピール
マンホールのふたも桜柄
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ランチはラーメン
まずはランチ。事前に食べログで調べて評価の高かったラーメン屋に行くことにした。
すでに時間は14時であったが、お店は満席。雰囲気としては昔ながらの街中のラーメン屋といった風情だ。カウンターとテーブル席が数席。BGMはなく、店内には14インチほどのブラウン管テレビで番組が映し出されている。こういった様子もまさに街中のラーメン屋といったところ。
醤油や塩といった定番味に加えて、富山産白エビを使った限定20食塩ラーメンや激辛ラーメンもある模様。白エビラーメンには心惹かれたが一日20食ですでに完売であった。
というわけで、私は塩ワンタン麺を注文。ご飯ものも頼みたかったが、こちらもすでに完売となっていた。
味はなかなか美味なり。具材の味は比較的が薄めだが、ワンタンは薬味がほんのり存在感が利かせている。スープからはエビと思われる風味を感じられる。近くにあったら週末はしばしば通ってしまうであろう。
塩ラーメンにはレモン汁をかけると東南アジアのスープ的な酸味と塩味のあいまった味に変身する。
石戸蒲桜を目指すが
お腹が満たされたところで、いざ石戸蒲桜へ。
グーグル先生の言うことにゃ、バスで自然観察公園前から徒歩とのこと。
20分程度揺られバス停につく。
道中、なぞのオブジェが
実は間違いだったのだが、石戸蒲桜ではなく、自然観察公園に入ってしまった。というのも、自然観察公園にも北本市指定の天然記念物エドヒガンザクラがあると看板に書かれていたからだ。てっきり同じものと思い、園内に。
園内は広大な緑地となっており、ビオトープや野鳥観察を楽しめる。
園内の湿地を歩いて桜に着くと、あれっ、本当にこれっ?っていう感じのあまり咲いていない桜の巨木があった。
おかしい。ネットには蒲桜は8分咲きと書いてあったのに、目の前の桜は2部も咲いていない。というか、むしろ咲き終わって葉桜に移行しつつあるようにも見えた。
これが北本市指定天然記念物のエドヒガンザクラなのであったが、どうやらすでに見頃は過ぎてしまったようだ。桜の知識には疎いが、種類によって近くにあっても見頃は異なるらしい。
念のため、ここでグーグルマップで再度検索してみると、どうやら石戸蒲桜はそこから徒歩15分程度の場所にあることがわかった。道理で。
ようやく石戸蒲桜
今度こそ、本物の石戸蒲桜に到着。桜をお目当に来た人々がそこそこいる。
お堂の中に蒲桜はあり、蒲桜以外にも立派な桜が数本。天気が悪いのがあいにくで、桜の花びらが空に映えないのが残念だったが、それでも立派で美しい桜である。
三大桜の三春滝桜と比べるとやや見劣りするので、五大桜になっているのもある意味納得だが、ほぼ満開でとても美しい。
近くに数点出店があって、出来立ての特大煎餅100円を買う。
それにしても桜とはなんと美しく特別な花であろうか。春という季節とも相まって、見れば前向きな気持ちになれるし、散り際の儚さもとても美しい。これほど完璧な花は世の中他にないだろうとさえ思ってしまう。
駅までバスで戻り、駅前からコミュニティバスで10分程度のスーパー銭湯で温泉に浸った。
ご当地グルメのトマトカレー with おばあちゃんの優しさ
次は晩飯を探す。
北本市はご当地B級グルメとしてトマトカレーを押し出している。特設のホームページがある。駅近ということもあり、ホームページで一番最初に掲載されていたあさひ庵に行くことにした。
駅から5分程度でほぼ住宅地の様相を呈し始め、そんなとこに飲食店があるのかやや不安になってきたところでお店発見。カラオケで唄う男の声が聞こえる。近くにスナックはないし、この店からだろうか?
もろもろ不安ながら店内に入る。地方の食堂に毛が生えたような小料理屋といったところか。
店内には宴会場があり、そこで宴会が催されているようだ。やはり先ほどのカラオケはこの店からであった。しかし、不思議なことに店内に入るとさほどカラオケの音は気にならない。
トマトカレーのほか、鴨のつくねとこんにゃく団子を注文。
女将さん?なのか初老の女性がオマケとして、豚肉と大根の煮物や麻婆豆腐を小皿で出してくれる。宴会用に作ったものの余りのようで、やや濃いめの味付けが自然観察公園や花見で歩いて少し疲れた身体に心地よい。
女性がいろいろ話しかけてきてくれる。こういった気さくなふれあいは個人経営のお店ならではといったところで、なんだかとてもうれしい。
トマトカレーはトマトの酸味が利いていて、邪道と思いきやもっと注目されるべき美味なカレーであった。どうやら、北本はトマトの産地のようで、トマトカレー以外にもちょいちょいトマトが販売されているのを見かけた。
トマトカレーと認定されるには以下の要件を満たさなければならないようだ。
一.ライスをトマトで赤くすること
二.ルーにトマトを使用すること
三.トッピングにトマトを使用すること
横須賀というアウェーの地で開催された全国ご当地カレー大会で優勝歴があるそうで、横須賀海軍カレーに比べるとだいぶ知名度は劣る感じはするが、実力的には海軍カレーに勝るとも劣らない。
こんにゃく餅は不思議な食感。中は抹茶あんで温かい状態で供される。お店のオリジナルか、それともこちらも北本の名物なのかはおばあちゃんに聞きそびれてしまった。
お腹は満たされた。日本五大桜とご当地グルメを堪能できた。あとは家に戻るために湘南新宿ラインに乗りこむだけ。私が横浜に暮らしていたときはこんな直通路線はなかったわけで、何とも便利な時代になったものである。
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