全国すべての市を制覇する旅に出た猫

日本にはたくさんの魅力ある市があるにもかかわらず、なかなか探訪する機会がないので、コツコツ全国の市に訪問してみようと思いました。このブログはそんな訪問の記録。

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ねぎもいいがスーパー銭湯もいい〜埼玉県深谷市訪問( 2017年10月29日)〜

 

 

今回は埼玉県深谷市

今回は埼玉県深谷市だ。人口は2017年10月で144,372人なり。地名の由来には諸説あるようで、ざっとネットで調べたところ、湿地帯の意味での「谷」を由来とする説や「茅」(かや)に由来するという説が出てきた。

 

深谷はねぎで有名だ。根深ねぎの一種である深谷ねぎの名を耳にしたことがある人も多いだろう。

 

今回はねぎというよりも「花湯の森」というスーパー銭湯がお目当て。本当は紅葉を見にどこかに行きたかったのだが、台風22号の襲来に伴う雨模様のお天気のため、予定を変更して穴場の温泉に行くことにしたのだ。ここは12歳以上しか入れないため、落ち着いて温泉を楽しむことができる。ファミリー層にとっては楽しくない話だろうが、それでもたまには子育てから開放されたい!というときがあって当然だから、そういうときのプチ贅沢にはもってこいの場所である。

 

深谷花園温泉 花湯の森 - トップページ

 

 

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 ↑生憎の雨模様であるが、それでも十分に美しい深谷駅駅舎。東京駅によく似ている。実際、ウィキペディアでは「現在の駅舎は東京駅の赤レンガ駅舎をモチーフにしたデザインで、「ミニ東京駅」とも呼ばれる」と紹介されている*1

 

タクシーにて深谷ねぎのローカルトークを聞く

花湯の森に行く人は気をつけたほうがいいのだが、2017年10月29日現在、ホームページの「バス利用」のアクセス情報は誤っている。「深谷市循環くるリン 南コース西循環 人見第2(南)下車徒歩5分」となっているが、正しくは「南部シャトル便」である。西循環便に乗っても人見第2には行けない。

 

コミュニティバス「くるリン」利用案内/深谷市ホームページ

 

というわけで間違って西循環のバスに乗ってしまったわれわれは当然ながら花湯の森にはたどり着けなかったわけで、結局駅に戻り、かといってバスは1時間に1本のペースで当分来ないため、タクシーで行くことにした。タクシーの運転手さん曰く、前にも同じ間違いをしたお客さんを乗せたらしく、っていうことは一向にウェブサイトを修正していないのか、とやや私はいらっとしたのであった。

 

が、深谷ねぎについて運転手さんが面白い話を聞かせてくれたので、まあ彼に免じて許すとしよう。相方が修正依頼をしたので、近いうちに直してくれるのではないかと期待。運転手さんも今度市長に伝えておく、と言ってくれた(以前、市長を乗せたらしい)。いい温泉だから早く直さないともったいないと思うし。 

 

で、深谷ねぎの話である。

 

深谷で生産されるならなんでも近い味になるというわけではないようだ。運転手さん曰く、深谷の北部の利根川沿いのほうが美味しいねぎが獲れるとのこと。ねぎは寒暖差が大きいほど美味しくなるのだが、北部の群馬県に近い地域のほうが寒暖差が大きいため同じ深谷でもより美味しいねぎが獲れるというわけである。北部の人間に言わせれば南部のは深谷ねぎとは言えないそうだ。あくまでタクシーの運転手さんの話であるが、得てして彼らは地域の事情通。県レベルなら北部と南部で気候の差があるのもわかるが、市内レベルでもそうした違いがあるということだから、地理というのは面白いものである。

 

もし本当に北部と南部で同じ深谷ねぎでも味に違いがあるなら、消費者としては北部産のねぎと書いて欲しいところもあるが、北部産のほうが味がいいなんて運転手さんに教えてもらわなければ知らなかったわけで、情報はただそこに提示されてもわれわれがその意味するところを理解できるとは限らない。話を聞く前であれば仮に北部産となって書かれていてもその意味を理解できなかったに違いないから、情報を得る側のリテラシーも重要なのだ。

 

そもそも深谷ネギの定義とはなんぞやと調べてみても意外にわからない。フカペディア(!!)の深谷ねぎのページも見たが、運転手さんの言う北部の土壌の質がいいというネタの裏はとれたが、肝心の定義はわからなかった。ブランディングしているわけだから、質へのこだわりはあるのだろうと推察するが。

 

深谷ねぎ - fukapedia

 

とりあえず、深谷市ウェブサイトにある深谷ねぎの紹介を転載しておく。

 

深谷ねぎは一年中収穫されますが、収穫期によって「春ねぎ」「夏ねぎ」「秋冬ねぎ」に分かれます。薬味やなべ物、お味噌汁などに欠かせないねぎですが、深谷ねぎの旬はなんといっても12月頃から出荷が始まる「秋冬ねぎ」。寒さで甘みが増す冬の時期、深谷の大地が育んだ、甘くてやわらかい深谷ねぎのおいしさをぜひ堪能してください*2

 

花湯の森で温泉を満喫

駅から15分ほどで花湯の森に到着する。写真では暗くてわからないが、通常のスーパー銭湯に比べると重厚感のある和風な造りとなっている。

 

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やや強めの雨が降る天気だからだろうか、それほど混んではいない。男性風呂のシャワーが4割から6割埋まる感じといったところ。湯船もだいぶスペースがあるし、運転手さんオススメの露天風呂コーナーの壷湯にも空きがあった。広くはないがリクライニングシートのある休憩室もあり、17時あたりはこちらも埋まり具合は6割くらい。

 

花湯の森のいいところは庭であろう。風呂自体もよいが、森や林とは言わないまでも木々に囲まれて外の世界と隔絶された感じになっている。多くのスーパー銭湯も木が周りに植えられているが、ここの木々には奥行きがあるのだ。実際のところ、最寄の深谷駅籠原駅からクルマで15分ぐらいだからある意味木がなくても隔絶はされているのだが、木々に奥行きがあることで同じ隔絶感でも孤立ではなく木々に囲まれているという気分になれる。

 

中庭もあり、縁側にはイスが設えられている。雨というのは、外出しなければいけないときはうっとおしいことこの上ないのだが、自分が屋根の下にいるときであれば、私は雨音を聞くととても癒される。しとしとという雨音。雨音は音のはずなのに、それ以外の雑音を消してくれるから、むしろ静寂感さえ感じる。耳をすませば雨のザーッと降る音と屋根や柱をつたって落ちるぴちゃんぴちゃんという音がコントラストある音色を奏でる。木々に囲まれて外部の人工的な音が聞こえにくいことも自然の音を味わえる空間を演出している。

 

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↑晩御飯に食べた煮ぼうとう。深谷出身の「日本資本主義の父」渋沢栄一が好きだったらしい。味噌仕立てが主流の甲州ほうとうとは違い、醤油仕立てのすっきりスープ。ねぎはもちろん深谷ねぎ。今回の探訪で深谷らしいことをしたといえば、この煮ぼうとうを食べたことだけであった。

 

帰りは無料送迎バスでお隣の熊谷市に位置する籠原駅に行く。私、ポテチが大好きで、ふっかちゃんポテチを買いたいと思っていたのだが、熊谷市に来てしまって買えなかった。今回は深谷市に来た、というよりは花湯の森に来た、という感じになってしまい、もっと市内をぶらぶらしたかったという一抹の後悔が残ったが、とりわけこのふっかちゃんポテチを買い損ねたことが一番悔やまれる。深谷市に再訪する機会があったら今度は絶対にふっかちゃんポテチを買おう。

 

ふっかちゃんポテトチップス | ふっかちゃんガイド 深谷市魅力発信ポータルサイト

 

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 さて次はどこへ行こうか。

 

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