全国すべての市を制覇する旅に出た猫

日本にはたくさんの魅力ある市があるにもかかわらず、なかなか探訪する機会がないので、コツコツ全国の市に訪問してみようと思いました。このブログはそんな訪問の記録。

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横浜市境木に突如として現れる男の城〜横浜市(2017年4月1日)〜

 

今回は横浜市

2017年3月現在で、人口は3,728,021人。言わずと知れた日本最大の人口を誇る市であり、みなとみらい地区や元町中華街、山手などの観光地を擁する街である。ハイカラなカルチャーのある港町であり、私が育った街である。

 

横浜の地名の由来は、長くのびた砂州に由来するという説、官道から外れた浜辺という説、浜の横が発展したといういくつかの説があるようだ*1

 

hamarepo.com

 

横浜市境木

今回訪れたのは横浜市保土ヶ谷区の境木。境木とは文字通り「境」であることが地名の由来。どことどこの境かといえば、それは武蔵国相模国の境である。

 

境木地蔵 - Wikipedia

 

境木といえば地蔵尊と商店街である。私はかつてここから15分程度の戸塚区品濃町に住んでいた。そのため、境木という地名はなじみがあり、一度くらいは来ているはずである。しかし、記憶に残っていない。そのため、横浜にはもっと他に訪れるべき場所はあると思うのだが、思い出の地めぐりも兼ねて境木を訪れることにしたのである。

 

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↑ 手水舎にも地蔵さまが 

 

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昼飯の中華。正しい中華食堂、だが味は

地蔵尊に参拝し、境木商店街で昼ごはんを食べることにした。

もともと行こうと思っていた寿司屋は原因不明のお休みで、次に行った鰻屋は「営業中」の札がかかっていたにもかかわらず、今日は鰻がないからやっていないとのこと。とても幸先が悪い。

 

そもそも境木商店街自体、いざ訪れてみると商店街といいつつ、さほどお店があるわけではなかった。空いてそうなお店といえば、上記2店舗を除くと、ややレトロな雰囲気を漂わせる中華屋さんしか見当たらない。

 

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というわけで、ほぼ唯一の選択肢といえる中華屋さんでお昼を食べることにした。

 

食べログ、八千代飯店

https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140305/14021528/

 

外観、内観ともに街中にある中華屋さんといった雰囲気だ。テレビがつけっぱなしにされ、ショッピングチャンネルが流れているあたり、その雰囲気をさらに強めている。のちに店主のおじいさんが高校野球の決勝戦にチャンネルを変えた。

 

頼んだのは、サンマーメンのセット(サンマーメン+半チャーハン)、ワンタン麺、餃子である。神奈川ご当地グルメサンマーメンを除けば、中華の王道たちの降臨である。

 

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サンマーメンとは五目ラーメンのようなラーメンで、 野菜やかまぼこ、肉などが入っている。

 

サンマー麺は戦前当時、調理人達のまかない料理で、とろみを付けた肉そばが原形になったと言われています。 神奈川県横浜市中区の中華料理店から戦後(昭和22~23年頃)発祥したと云われおよそ60余年の歴史があります。醤油味がベースのスープに具は肉・もやし・白菜、その季節に有る具にあんをかけた簡単なものでした。しかし当時ではラーメンよりボリュームがあり美味しく、あんがかかっているので寒い季節は温まって元気が出てくることから徐々に商品化されお店にも並ぶようになってきたのです。

(中略)

サンマーメンと言うと「秋刀魚が乗っているラーメン?」と思っている人も事実いますが、サンマーメンは漢字で「生馬麺」と書きます。「生=サン 馬=マー」は広東語の読み方で、調理法もやや甘めの広東料理に属しています。 生馬麺の意味は。生(サン)は「新鮮でしゃきしゃきした」と言う意味。 馬(マー)は「上に載せる」と言う意味があります。つまり新鮮な野菜や肉をサッと 炒めてしゃきしゃき感の有る具を麺の上に載せることから名付けられたと伝われているのです。

(中略)

今では横浜の中区だけではなく、神奈川県全域はもちろん関東各地でもサンマーメンを提供するお店が増えております。 伝統のあるサンマーメンですが、では「サンマーメンとはこうして作るものだ」と言う定義はあるのでしょうか? 実は確定された定義はありません。

(中略)

しかし少なくても「肉ともやしや白菜を使用し、野菜はシャキッと手早く炒め、必ずとろみを付けてコクのある具に仕上げる事」は共通しているようです。

 

www.sannma-men.com

 

さて、肝心のお味といえば、昔ながらの中華食堂の味を想像していただければ基本的に遠くはない。が、けっこう味は薄い。美味しいか否かについては賛否両論があろう。ただ、野菜あんかけがかかっているだけあって、サンマーメンセットはけっこう腹がふくれる。高齢のご夫婦が営んでいるかと思いきや、途中で息子さんらしき人がお店を手伝っていたので、彼がこの先にお店を継ぐのだろうか。

 

境木の住宅街を歩く

腹は膨れた。腹ごなしをかねて境木を歩いてみることにする。といっても小規模な商店街を抜ければ一面は住宅街である。 

 

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↑ 横浜銀行の支店があるから、商店街が存続できるという説がある。なぜなら、銀行を利用するために人が訪れ、ついでに商店街を利用するから*2

 

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↑剪定されていない豪快な枝ぶりの桜

 

ぷらぷら散歩もして、といって基本的に住宅街だし、寒いしそろそろ帰ろうかなと思った矢先、珈琲焙煎の文字が目に入る。

 

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正直、賛否両論あろう中華屋さんで昼ごはんを食べ、やや否定派の私としてはコーヒーで口を浄化したい思いがあった。しかも、なかなかこだわっている雰囲気を醸し出している。

 

カフェではなく、珈琲豆焙煎専門店とのこと。ただ、試飲させてくれるらしい。

店名はquerstudio。

http://www.querstudio.com/querstudio/index.html

 

面白いことにドアの前で靴をぬいでスリッパに履き替える仕組みになっている。

店内には焙煎中のご主人お一人。珈琲の焙煎が好きで退職後に始めたお店とのことだ。

試飲としてグアテマラの珈琲をいただく。

 

せっかくなので何か豆を焙煎してもらおうと思ったのだが、一番好きなケニアの豆を品切れだそう。ケニア産であれば何でもいいということであれば、すぐに入荷できるそうなのだが、ご主人が納得いく質の豆がなかなかないそうなのだ。それゆえに品切れ。比較的酸味があり、フルボディな豆ということで、代わりにコロンビアの豆をいただくことにした。

 

ガス焙煎機で15分ほどつきっきりで焙煎するそうだ。その間珈琲を試飲して待つ。

 

ガス焙煎機の音が部屋を包む。自動の焙煎機があるそうだが、ご主人のこだわりは自動焙煎機の使用を許さない。

 

我が家にはグラインダーがない。その旨を告げると特別にお店で挽いてくれるとのこと。しかし、その顔はとても悲しそうである。

 

それもそのはず、豆は挽いてしまうと酸化が進んでしまう。ご主人の例えによると、吹きさらしの中で容器に入れずに寿司を持ち帰るようなものだそうだ。 それではあっという間に味が落ちてしまうことが容易にわかる。ご主人は今日は試飲だけでいいとおっしゃってくれたが、そこまで力説されれば、グラインダーを自分で調達しないわけにいかない。どうやら、今から私は珈琲の道をスタートすることになりそうだ。

 

コロンビアの豆を焙煎してもらい、200グラムで1250円也。

 

境木商店街の名物は地蔵尊にあやかった地蔵最中。それを買うはずだったが、私の手には焙煎されたばかりのコロンビアの豆。

 

飲むのが待ち遠しい。早くグラインダーを調達しなければ。この店のおかげで私の人生には楽しみがまた一つ増えた。 

 

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